 |
 |
 |
 |
1月10日更新 |
|
| <1> |
 |
| 江の川のうまい思い出 |
 |
「アヂヂヂヂ! しかし、うまい! しかし、アヂヂヂヂーー」
そんなふうに大声で叫んだのは、6年も前のことである。島根県美郷町の江の川(ごうのかわ)沿いにある『カヌーの里おおち』(※1)でのことだった。
『カヌーの里おおち』は、目の前を流れる江の川でカヌーの講習やツアーなどをおこなう体験施設。そして、そこには森に囲まれた広いキャンプ場もある。
そのキャンプ場の一角に、ある日、こつ然と石窯が現れたのだ。スタッフの手造りだ、というではないか。
さっそくピザを焼いてみよう。
色めきたった僕は、スタッフの迷惑も顧みず、すぐさま石窯に薪を放り込み、火を熾し、窯の温度を上げ、そして、ピザの準備へと取りかかったのだった。
何度も何度も唇をやけどしてしまうほど、そのうまかったこと、うまかったこと。
電気オーブンで焼いたピザはすぐに冷めてしまうような気がするけど、石窯で焼いたものはいつまでも熱いのだ。それに、かりっと焼けた生地もまた、音をたてるおいしさだ。 |
|  | そのとき、『カヌーの里おおち』スタッフから、石窯のくわしい造り方を聞いた。とはいっても、彼らもはじめて造ったわけで、試行錯誤の繰りかえしだったという。ノウハウを説明できるほどじゃない。
要は、なかで焚き火ができるような石窯を造ればだいたいOKだろう、という話で終わったのだった。
いつか、僕も造ってみたいなあ、とそのときは強く思ったのだ。
ところが、そんな話もすっかり忘れていたのである。忘れることにかけてはだれにも引けをとらぬわたくしである。デリバリーのピザもうまいなあ、などと思っていたのだ。
ところが去年の夏、長野県に住む友人のけんちゃん(高野賢一)とビールを飲んでいるとき、うまいピザを食いたいなあ、となぜがピザの話となり、ならば石窯を造ろうてな話に発展したのだった。
けんちゃんの住む家の庭ならじゅうぶんにスペースもあるし、家では薪ストーブを使っているから、薪のストックもいっぱいある、という。
これで、話は決まったのだ。 |
|
 |
|
 |
|
 |
|