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毎日が山歩き 案内人 伊藤幸司(糸の会・登山コーチングシステム)  50歳を過ぎてからでも楽に山歩き、愉しく山登り、のんびり山遊びが楽しめる毎日を紹介します。

講座 2009.3.12更新  

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【講座75】ダブルストック技術試論8〜10(全10項)

※この試論は以下の項目から成り立っています。
基本編  1.長さの調節・肉体化
            2.左右のバランス、前後のバランス
            3.V字ポジション
            4.登りのパワーアシスト
            5.下りの深前傾姿勢
応用編  6.登りの段差拡大・パワーアップ
            7.下りの段差拡大・ヒザの徹底保護
            8.左右50:50
            9.岩場対応・V字ポジション
            10.岩場対応・谷側一本勝負

8.左右50:50

■ダブルストックの安定性――2009.2.24
岩場でのダブルストックの使い方を見ると、左右のストックの使い方が50:50(フィフティ・フィフティ)かどうか、見分けやすい。栃木県大小山で

もともと、私は登山での杖の使用に反対だった。あまり具体的な根拠はなかったが、1本杖を使っている人の動きを見ていると、体の左右の使い方が明らかにズレている。登山は長時間の運動だし、片方の足をかばうと反対の足にストレスがたまるという例は多く見ていた。左右のバランスを整える歩き方が重要だと考えていたので利き腕に頼る1本杖にはどうしても賛成できなかった。

ダブルストックを導入したのは、下りでの危機管理のためだった。大きな段差を安全にクリアするためには、ストックに体重を預ける瞬間が必要になる。女性にとってはその力を両腕に分散しないと腕力において無理かもしれない。高価にはなるけれど、全員にダブルでの使用をお願いした。

ほぼ10年前のことで、ダブルストックもバラ売り主体の時期だった。メンバー全員がダブルストックで歩いているとすれ違う人たちに驚かれたり、呆れられたり、ときに叱られたりした。こちらは当然、ダブルで使いこなしていると自負していた。

あるとき、ダブルストックのシングル使用を提案してみた。理由は雨対策だった。ダブルストックで歩くようになると、みなさん雨の日にカサをささない。気温が高くて、雨具をつければ汗をかくと分かっていても、レインウェアを着てしまう。カサをさす手があかないのだ。


気温が10度C以上あったら、透湿防水のレインウェアでも汗をかく。濡れても体へのストレスがあまりないので、カサをもっと積極的に使おうと提案したのだ。

そこでストックを1本にして、カサをさして歩いてみることにした。ストックは谷側で使うのが基本になるので、ストックとカサの持ち手を次々に入れ替えていく。

するとうまくできない人が何人も出てきた。右手使用ならいいけれど、左手だと不安で困るという人が多かった。

要するに、ダブルストックを使っていても、左右均等とは限らないのだ。利き腕にウエイトが偏っている。

そのことで分かったことがある。一列で歩いているとき、前の人のストックが後ろの人に危険を感じさせることがあった。10人にひとりぐらいは極端に片手にしか神経がいかない人がいて、緊張すると不要な側のストックが動かなくなる。グリップをギュッと握りしめると石突きが上に跳ね上がる傾向がある。それが後ろの人に危険を感じさせるのだ。

ダブルストックにしたからといって、体を左右均等に使っているとは限らない。そのことがあって、私は岩場でできるだけシングル使用に切り替えるようにし始めた。ダブルストックはシングルストックをベースにしないといけないと考えるようになってきた。


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